教授挨拶

多くが集い力を合わせて明るく楽しく 〜ゆいまーる〜

 琉球大学小児科のホームページをご覧いただきまして、ありがとうございます。赴任して2か月が経とうとしています。新天地にやってきて様々なことをみつめ、考え直してみて、二つのことを改めて実感しました。一つは、「小児科医の良さ」、もう一つは「大学の良さ」です。

 小児科医という仕事の素晴らしさを感じる理由はたくさんありますが、一つだけこの場で述べるとすると、「小児科医は子ども達の総合医」であるということです。理想的な小児科医は心を含め全身を診る総合医的臨床力を有する医師です。琉大の小児科医局員は全員がそれを心がけて日々の診療に従事しています。私の専門領域は小児腎臓病ですが、琉大小児科では腎疾患のみならず、全ての小児科分野に配慮し、患者さんとその家族のことを一番に考えて、丁寧な診療をしていきます。

 大学という職場を素晴らしいと考える理由もたくさんありますが、こちらも一つだけこの場で述べるとすると、「素晴らしい人が大勢いる」ということです。「多くの分野のプロフェッショナルが一堂に会する」そんな場所が大学です。臨床の分野は言うに及ばず、基礎の分野にも素晴らしい先生方が大勢おられます。これこそが、大学の魅力です。臨床、基礎を問わず、多くの先生方とお仕事をさせていただきたいと思います。

 沖縄にやってきて、「ゆいまーる」という言葉を知りました。ゆい(結い、協働)+まーる(順番)の意で、順番に労力交換を行なうこと、相互補助と訳され、元々は畑仕事についていう言葉だったそうですが、転じて他の仕事についても言うようになったとのことです。まさしく、「ゆいまーる」の精神こそが私達のモットーです。地方の大学小児科が大変なことは想像に難くないのですが、当教室も例外ではありません。どのような状況であっても、人を大切にして一人でも多くの人が集い、みんなで力を合わせていきたいと思います。「忙しくても明るく楽しく」、「ゆっくりだけど確実に」、そのような医局を目指していきます。

 小児科では全国的に平成29年度から新専門医制度が稼働します。琉大のプログラムでは定員の全てを満たす6名が新しい仲間になってくれました。その期待に応えられるように、関連施設の先生方と医局員が一丸となって取り組んでいきます。

 大学の使命として研究は最重要と心得ています。ただし、臨床講座において研究は単独に成り立つものではなく、教育・診療・研究が三位一体であるということを肝に銘じ、全ての基本は「人」にあり教育に力を入れることが原点だと考えています。常にリサーチマインドを持って診療にあたり、そこから生じた問題や疑問を解決する研究を実践できる人を育てていきたいです。

 多くの先生方が琉大小児科を訪れて仲間になり、それぞれが理想とする医師像を目指して切磋琢磨し、実現していただきたいと思います。そのお手伝いができるように、最大限努力するのが私の使命です。

琉球大学大学院医学研究科育成医学(小児科)講座 中西浩一